昨年から一緒に木のプロダクト開発などを進めている手作り注文家具屋 MINATO FURNITUREこと、湊 哲一(みなと のりかず)さん。

湊さんの出身地である秋田県能代市は、かつて林業で一時代を築き、
いまも多くの木材関係の会社があります。
湊さんが、あきらめきれずに家具作りを職業にするまでのこと、
釘や塗料を使わずに、無垢の木にこだわるスタンス、
故郷の森やものづくりに、これからどう関わっていきたいと思っているのか。
肩ヒジはらずにゆるりと
ふるさとと、今の立ち位置とを、どこかリンクしていきたい。
そんな想いをもしあなたが持っていたら、何かが共鳴して拡がっていくようなお話です。

 

100年でも長持ちするものを作りたいな、と思った

 


※ 深い森の中を抜けると、また田んぼが見えてきます。

—— それで、一緒に学校にいた人と今の工房を作ったんですか?

そう。ちょうど同じ時に入った人たち。
最初は4人で、そのあと1人が入ってきたんですよ。

 

—— それが2005年ですかー。

意外に経っちゃったんですよねー。ふふふ。

 

—— 6年も経ったわけですね。すごいです。

最初始めるときは、かなりやばかったんですよねー。バイトしながら。

 

—— 最初の頃、お客さんに来てもらうために、どんな工夫をしてたんですか?

どうにかしてお客さんに来てほしいから、
ホームページを自分で作って、商品数少ないけど多く見せる努力したりしてました。
それは意外に成功したかな。
ホームページしっかりしてますね、とか言われたから。

あと、バイトで店舗のCGとか作ったりはしてたんです。
CG作れて木工やってる人がいないから、それは良かったかな。
イメージ作れるからお願いした、とかそういうのも結構あったから。

 

—— お客さんには、CGでその人の部屋に合わせた図面とか、つけるんですか?

それは本当に場面によるかな。
どうしてもわからない、というときには手の込んだものを作るけど、大体はサービス程度な感じで。
それでも分からなかったら、写真入れたり、
お客さんのお宅に行って段ボール切って部屋に置いてみたり、細かいこともします。

 

—— ところで、ホームページのプロフィールにある「寺家7(ジケセブン)」ってなんですか?

「寺家7」というのは、
仕事がないから、周りの人と展示会やったりとかしてたんですよ。
で、ちょこちょこっと仕事が増えてきたかな、という感じ。

 

—— 同年代で木工の仕事やってる人って、結構いるんですか?

自分たちが習いに行ってたときは意外に木工ブームで
うちらの世代だけじゃなくて、とにかくいろんな世代の人が集まってきてたんですよ。
職業訓練校もすごい倍率で。ほとんどの人が落ちちゃう、みたいな。

その中で、今もやってる人は本当に少数。

寺家に関しては、まわりはほとんど同じ世代ですね。
訓練校を出てる人の割合が多いんです。

逆に、訓練校出てない、というと、みんなびっくりする。
ぼく、全部独学なんです。


※ 坂を下ると、再び広がる田園風景。向こうに見える青い屋根の二階建ての建物が工房です。

 


※ 一階が、MINATO FUNITUREも工房を構える共同の作業場。二階では定期的に木工教室を開催しています。

 

—— 寺家に工房を構えた最初の頃はどこに住んでたんですか?

杉並区です。

 

—— 杉並から通ってたんですか!?

しかも原チャリで(笑)

 

—— えー!何分かかるんですか?

2時間くらい。
しかも、すっげー遅い原チャリだったんですよ(笑)

原チャリの方が電車とバスより安いから。
今だったらわかんないけど。リッター100円くらいだったしね、当時。

さすがに原チャリは辛かったですね。
雨とかサイアク。

 

—— 夏も大変ですよね。

ガソリンすぐなくなっちゃう。一往復のたびにガソリン入れてた。

今の場所が良すぎて、自分たちの環境を考えずに借りちゃったから、
結局みんなそういう感じだったんですよ。

 

 

—— 話は変わりますけど、湊さんが秋田に関わり始めたのは2010年からってことなんですけど、本当ですか?

そうそうそう、ほんとに去年からですよ。

最初にウェブでZERODATE(ゼロダテ)を発見して、
ZAC TOKYOの説明会があるから来たら?って、ゼロダテの小林照美さんに誘われて。

 

—— 小林さんは何で知っていたんですか?

mixiで(笑)

 

—— マイミクだったってことですか(笑)!?

そう。多分、ゼロダテを発見して、mixiでマイミクになってたんですよ。
それでZACに行って、そのとき、やるって決めたんですよね。

そのときに、中村政人さんに初めて会って。
能代でなんかやりたいんですよ、って一番最初に話した記憶はあるかな。

 

—— その「能代でなんかやりたい」は、いつ頃からフツフツしてたんですか?

その1~2年くらい前から、何かしたいなぁとは思ってたんですよね。
地元の木で、と。その辺から思い始めてきてて。

その頃から横浜の「開国・開港Y150」(以下、Y150)に絡んで
横浜の間伐材に関わり始めて。
神奈川でやってて、地元でやらないってのはないよな、と思って。

 

—— なるほど。

工房の仲間とやってる山梨県道志村の間伐(横浜市の水源林)は、いつ頃からやってるんですか?

Y150が2009年だから、間伐に初めて行ったのはその前の年の冬ですね。
最近行けてないんですけど。

Y150に関わる話を誘ってくれた方が、プロジェクトを申請して予算がついていて、
間伐からモノ作りまでのストーリーを作ってくれていて。
木工制作できる人を探していたんですよ。

 

—— そういう流れだったんですね。
それがあったから能代でもやらなくちゃな、ってなったってことですよね。

そうそう。

 


※ 機械で磨いた材にカンナをかけて仕上げていく。最近は大工さんでもカンナを一つ使えない人が増えているのだとか。

 

—— ZAC TOKYOの説明会を訪れる以前は、秋田には?

秋田にはほとんど帰ってないですね。

 

—— 去年(2010年)から、だいぶ生活が変化しましたね?

すんごい変わりましたね!
こんなに帰るとは思ってもいなかった。何やってんだろーっ、てくらい。
ちょっと体力的には大変だけど、逆に、いい流れだな、とも思ってて。

ちょっと能代に関わりすぎてて、仕事ほったらかしでやばいとは思ってるんだけど。
いろんな活動してるんだね、って周りに見られてるみたいで、問い合わせがすごいんですよ。
ブログとかHPとかあまりアップしてないのに。どうしようって感じです。

 

—— どんな問い合わせですか?

単純に家具の注文ですね。
今までは個人のお客さんばかりだったんだけど、
デザイン会社経営している人から家具の注文があったりとか。
そういう関係の人からの話が多いですね。

 

(続きます)

INTERVIEWEE’S INFO
湊 哲一
MINATO FURNITURE
〒227-0031
神奈川県横浜市青葉区寺家町337
TEL&FAX: 045-963-0206
E-MAIL: info@minatofurniture.com
Website: http://minatofurniture.com
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