WAPPA Projectは、秋田と東京を行き来しながら、アート、デザイン、木工、プロモーションなど、様々な活動を行う ZERODATEMINATO FURNITUREcasane tsumugu による共同プロジェクトです。伝統工芸品と呼ばれるものの中にも、かつては生活に寄り添う暮らしの道具だったものが少なくないと思います。そんな視点から、地域の伝統工芸を軸に、『木』と私たちの『暮らし』の関係を見つめ直しながら、これからの『生き方のモノサシ(価値観)』を探り、これからの暮らしに寄り添えるプロダクトの開発や、その背景にある仕組みづくり、また、木や森に触れる機会づくりなどを、デザイナーやアーティストらと共に企画・提案していこうというプロジェクトです。

 

『WAPPA Project』に込めた意味

 

『わっぱ』とは
秋田県が誇る伝統工芸『大館曲げわっぱ』の略称として使われる
日常使いのユーモラスなひびき。

元々は『輪』を指す意味があります。

これに加えて私たちが込めた想いは、
材料となる森林資源など、自然が循環する『環』
人と人とのつながりや、暮らしに豊かさやゆとりともたらす『和』

WAPPA Projectは、そんな『わっぱ』が拡がっていくように
との願いをあらわしています。

ちなみに、アイヌの語源では、
産婦が赤ん坊の初湯に使った容器をさして
『ワッパ』と呼んでいたとの謂われがあるようです。
アイヌの語源がいまも多く生きている北東北ですが
『わっぱ』も、古からの名残のひとつなのかもしれません。

土地に根付いた土着な由来と
新しい生命が生まれるイメージも
WAPPA Projectに似合っているように思います。

 

これまでのこと[1]|2010年 商品開発をスタート

 


※ 伝統工芸士の佐々木悌治さん(現・大館曲げわっぱ協同組合理事長)にお話を聞く湊さん(左)

 
WAPPA Projectのきっかけとなったのは、
大館市を拠点に活動する「ZERODATE」。

大館出身のアーティストやクリエイターらが自発的に立ち上げたアートプロジェクトで、日付(DATE)をゼロにリセットし、もう一度なにかを始める、新しい大館を創造する、というコンセプトのもと、2007年に活動を開始しました。

2010年度、大館市内の商店街活性化を目指した事業のひとつとして「ZERODATE Shopping Center」を実施。大館曲げわっぱを活用した新たな商品開発も行われ「MINATO FURNITURE」の湊 哲一さんもデザイン・製作に加わりました。

デザインするにあたり湊さんが意識したのは、ヒアリングの際に感じた以下のポイント。

・秋田杉の曲げ木じゃないといけないというストーリーがあること
・天然秋田杉を感じてもらえる、気軽に持ち運べて、身につけながら説明できるもの
・昔から受け継がれてきた貴重なデザインと斬新なデザインとを区別すること

そこから試行錯誤を繰り返し、出来上がったのが
天然秋田杉を身近に感じられるようにと、曲げわっぱの端材でつくった「ピンバッジ」
ZERODATE(0/DATE)の『時間』に由来するコンセプトにちなんだ「壁掛け時計」
そして、時計とおそろいの「ルームミラー」の3点。

これら3点がプロトタイプ第一弾として完成しました。

 

(続きます)